クアドラス vs エストラーダ、観戦記|ボクシング、WBC世界スーパーフライ級挑戦者決定戦

2017年9月10日(日本時間)、ボクシング、WBC世界スーパーフライ級挑戦者決定戦が、米カリフォルニア州カーソンにて開催されました。

この試合に挑むのは、次の両者です。

同級2位、カルロス・クアドラス
同級3位、ファン・フランシスコ・エストラーダ

共に、当時パウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級最強)の筆頭であった、ローマン・ゴンサレスを大いに苦しめた、強豪中の強豪です。
この試合は、その両者が対決するとあって、タイトルマッチに比肩する注目を浴びています。

それでは以下に、この試合についての感想を述べてみたいと思います。

なお、両者のデータについては、次の通りです。

カルロス・クアドラス (2位)

身長:164cm、リーチ:167cm、年齢:29歳、出身地:メキシコ

ファン・フランシスコ・エストラーダ (3位)

身長:163cm、リーチ:168cm、年齢:27歳、出身地:メキシコ

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クアドラス vs エストラーダ、観戦記

試合のゴングが鳴ります。
両者ともに細かくリズムを刻み、シャープな動きと反応を披露します。
トップボクサー同士の好試合を予感させる立ち上がりです。

序盤から積極的にフック系のパワーパンチを放っていくクアドラス。
スーパーフライ級に転向して間もないエストラーダは、クアドラスの圧力に、やや押され気味に映ります。

クアドラスが単なるブルファイターであれば、エストラーダの一流の技巧によって、いかようにも対処が可能でしょう。
しかしクアドラスは、アマチュア・ボクシングで実績を残しているテクニシャンです。
迫力ある左右のフックを軸としながらも、絶妙なタイミングでシャープなワンツーを打ち込むなどし、エストラーダを翻弄します。

ジャブの差し合いにおいても、一歩リードしているのはクアドラスです。
エストラーダは、クアドラスのパワーパンチに対応するためにガードを緩められず、スムーズなジャブを差すことが難しい状況に追い込まれます。

左フックをリードパンチのように使って、右のパンチを上下に打ち分けていくクアドラス。
エストラーダは、決定的なダメージを負ってはいないにしても、徐々に、そして確実に削られていきます。

しかし・・・
パワフルなパンチでエストラーダを圧倒してきたクアドラスは、その代償を支払う時を迎えます。

試合が中盤に入ると、クアドラスが明らかにペースダウン。
フック系のパワーパンチを放つ頻度が、激減します。
スタミナ切れ、というよりも・・・フック系のパンチに用いる筋肉に、乳酸が溜まってしまったような印象です(もしかすると、故障でしょうか)。

クアドラスの圧力が緩みだすと、その分、エストラーダの動きが滑らかになります。
ジャブがスムーズに出るようになり、リズムを掴み始めるエストラーダ。
序盤ではなかなか出すことのできなかった、美しくダイナミックなコンビネーションも、積極的に仕掛けるようになります。
クアドラスも負けじと応戦しますが、そのパンチには、エストラーダの勢いを寸断するだけのパワーがありません。

そして迎える、第10ラウンド。
力感に欠けるクアドラスの左右のフック、その打ち終わりを狙ったエストラーダのパンチがクリーンヒット。
右ストレートがクアドラスの顎を見事に打ち抜き、この試合初めてのダウンを奪います。

尻もちをつくようにしてリングに倒れたクアドラスですが、休むことなく、すぐに立ち上がります。
ダメージは深くはないようです。

試合再開の合図とともに、ギアを上げて、追撃を狙うエストラーダ。
しかし、クアドラスはフットワークを駆使して冷静にエストラーダの猛攻に対処し、このラウンドをしのぎ切ります。

第11,12ラウンドも、やはり印象的に映るのは、エストラーダの流れるようなコンビネーション。
クアドラスも必死に前に出ますが、失ってしまった力感の影響は大きく、決定的な見せ場を作ることができません。

鳴り響く、試合終了のゴング。
両雄を讃える、大きな拍手が会場を包み込みます。

勝者はどちら? 好勝負に水を差すハプニング

試合全体を振り返ってみると・・・

前半はクアドラスのパワーパンチが印象的でしたが、中盤以降は、エストラーダの舞台となりました。
接戦ではありましたが、第10ラウンドに奪ったダウンは、エストラーダにとっての決定的なアドバンテージと言えるでしょう。

さあ、判定の結果を聞きましょう。

コールされた勝者の名は・・・

カルロス・クアドラス!

・・・。

ええー!

歓喜するクアドラス。
唖然とした表情のエストラーダ。

大ブーイングに包まれる会場。
私も心の中でブーイングです。

歓喜と困惑と憤りが渦巻く中で・・・
クアドラスの名を勝者として読み上げた、マイケル・バッファー氏のアナウンスが響き渡ります。

「ごめん、いまのなし!」

なんと・・・
「勝者の名を読み間違える」という、大ポカをやらかしてしまったようです。
バッファー氏のケアレスミスなのか、渡された用紙に不備があったのかはわかりませんが・・・

さて、仕切り直しです。
改めて、勝者としてコールされた名前は・・・

ファン・フランシスコ・エストラーダ!

大歓声に包まれる会場。
私も心の中でサムアップです。

とんだハプニングはあったものの・・・
実に、見ごたえのある試合でした。

試合前半のクアドラスの迫力、中盤以降のエストラーダの美技。
これぞファイト、これぞボクシング。

素晴らしい試合を見せてくれた両雄に、心から拍手を送りたいと思います。

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