物忘れが激しいのは病気?記憶力の低下の改善に効果的な対策とは|物忘れがひどい時の対処法と物忘れ外来

物忘れは、誰もが日常的に経験する、ありふれた現象です。

そのため、日々の生活の中で物忘れが生じたとしても、それが大きな失敗に結びつきでもしない限り、気にもとめない──という人が大半でしょう。

しかし・・・

「以前と比べて、明らかに物忘れがひどい」
そのような自覚があらわれた時、あるいは他人からそう指摘された時は、危険信号です。

「昔からずっと物忘れが多い」という場合、それは一つの個性と捉えることが自然です。
しかし前述のように、明らかに物忘れの頻度が増加しているのであれば、何らかの要因により、脳の機能が低下している可能性が考えられます。

認知症などの病気を発症しており、その初期症状として激しい物忘れが引き起こされている場合は、早急に手を打たねばなりません。

この記事では、そのような「物忘れが激しい・ひどい」という悩みを抱えている人に役立つ、各種対策や防止策について、詳しくお話しをしたいと思います。

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「最近、物忘れが激しい」そう感じた時、まず最初にすべきこと

最近、物忘れが激しい・・・

そのように感じる時、まず疑うべきは、認知障害(記憶障害)です。

認知障害は、脳の「物覚え」に関する機能が低下する疾患です。
認知障害を発症した場合、自然に状態が改善することは極めて稀であり、時間が経過すればするほど、症状が悪化していく懸念が強まります。

「以前と比べて物忘れがひどい」と自覚するようになった場合は、例えそれが「日常生活に大きな支障をきたすほどではない」としても、すぐに病院へ赴き、専門医の診察を受けるべきです。

初期の認知障害の多くは、軽度認知障害(MCI)に該当します。
この段階で治療に取り組むことができれば、症状の進行遅延に大きな効果が期待できます。

MCIの段階で早期発見ができれば、治療効果・発症の遅延効果が高いとされています。

あたまの健康チェックテスト 専門検査|京都山科 洛和会音羽病院健診センター

認知障害は、高齢者が発症することが多い疾患です。
しかし、10代や20代、30代や40代といった若い年代の人であっても、若年性アルツハイマーなどの認知障害を発症する懸念があります。

「認知障害は高齢者が発症するもの」
「自分はまだ若いから大丈夫」
などと考えず、激しい物忘れに悩まされている人は、速やかに医師の診察を受けましょう。

物忘れがひどい時は、何科にかかればいい?

認知障害のチェックテストや治療は、主に神経内科にて受け付けています。
専門的に「物忘れ外来」を設けている病院もありますので、インターネットなどで近場にそうした医療機関がないか調べてみることをおすすめします。

なお、認知障害のチェックは、問診やテスト、CT検査、血液検査などにより行われます。

認知障害を引き起こす病気にはどんなものがあるの?

認知障害(記憶障害)を引き起こす病気の種類は多岐に渡りますが、以下に、その中でも代表的なものをご紹介しましょう。

アルツハイマー型認知症

認知症の中でも、罹患者が最も多いとされる病気が、この「アルツハイマー型認知症」です。
脳の「海馬」と呼ばれる部分が萎縮することが原因とされます。

「頻繁な物忘れ」が初期症状としてあらわれ、症状が進行すると、今日が何月何日かわからない、相手の言葉を理解できない、言葉が出てこない、読み書きができない──などの多様な症状があらわれます。

血管性認知症

血管性認知症は、血管の老化や動脈硬化などの影響で脳の血流が滞ることにより、認知機能が障害される病気です。
肥満、高脂血症、高血圧症などの疾患を抱えている人は、血管性認知症を発症するリスクが高まります。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、変異したタンパク質(αシヌクレイン)が集まって「レビー小体」というかたまりを形成し、神経細胞に蓄積することで、認知機能が障害される病気です。
高齢者の認知症の約2割は、このレビー小体型認知症であると言われています。

レビー小体型認知症の特徴的な症状は、「幻視」です。
実際には存在しないにもかかわらず、部屋の中に見知らぬ人がいる、虫が這いまわっている、などと訴える症状が典型例です。

うつ病

うつ病を発症すると、脳の認知機能が低下し、物忘れが激しくなるなどの症状があらわれる場合があります。
うつ病により生じる認知機能の低下は「仮性認知症」とも呼ばれ、うつ病の治療を行うことで快方へ向かいます。

上述の通り、認知症は病気の初期段階で治療を行うことで、症状の進行遅延に大きな効果を期待できます。
少しでも疑わしいと感じたら、医師の診察を受けることを強くおすすめします。

「病気ではない物忘れ」を改善するには?

物忘れが激しいため、心配になって病院へ行ったが、認知障害(記憶障害)とは診断されなかった──。
しかし、病気ではないとしても、物忘れが激しい現在の状態を改善したい──。

このような場合、いったいどのような対策が考えられるでしょうか?

以下に、「病気ではない物忘れ」の効果的な改善方法について考えてみましょう。

認知症予防のリハビリテーションに取り組む

物忘れの改善に効果が高いと思われる対処法の一つに、「認知症のリハビリテーション・プログラムの実践」が挙げられます。
認知症のリハビリテーション・プログラムは、脳を刺激し、認知機能を改善させる目的で作られたものです。
こうしたプログラムの実践により、脳の働きが活性化し、物忘れの改善や認知症の予防に繋がることが期待できます。

計算、音読、書取、音楽療法など、プログラムの内容は多岐に渡りますが・・・
このなかでも「音読」は、手軽に脳を刺激できる、おすすめの方法です。

ただ、こうしたプログラムの実践は、我流で行うよりも、専門家の指導を受けて行うほうが良い結果が得られることは言うまでもありません。
激しい物忘れに悩んでいる方は、いちど「物忘れ外来」などで、認知症予防のレクチャーを受けてみてはいかがでしょう。

他人との交流を図る

「他人との交流に乏しい人は、認知症を発症する割合が高い」という研究報告があります。

同居人以外との交流が週1回未満のお年寄りは、要介護や認知症になるリスクが、毎日頻繁に交流している人より約1.4倍高いことが日本福祉大や千葉大などの研究チームの調査でわかった。

孤独な高齢者、認知症リスク 交流少ないほど発症率上昇 – 日本経済新聞

他人との交流は、脳に非常に多彩な刺激を与える行為です。
おしゃべりをしたり、ゲームに興じたりするだけでも、認知症の予防や物忘れの改善に、大きな効果が期待できます。

物忘れが激しいという悩みを抱えていて、普段あまり他人と接する機会の無い人は、スポーツサークルや趣味の会などに参加し、積極的に人との関わり合いを持つことをおすすめします。

運動をする

近年、認知症の専門家たちのあいだで、運動が大きな注目を集めています。
数々の研究において、「運動に認知症の予防効果がある」とする結論が導き出されているためです。

1996年から2007年までに発表された文献で、運動および身体活動が認知症およびアルツハイマー型認知症発症に関与するか調査した長期疫学研究では、地域在住の高齢者を2.5年から30年間経過観察した報告24論文中、20の論文で身体活動および運動が認知機能低下および認知症の発症に対して防御的な効果があることを報告しています。

認知症の予防 | 健康長寿ネット

かねてより運動は、筋肉だけではなく、脳にも非常に良い刺激を与えることで知られています。
認知症の予防に効果があるのであれば、物忘れの防止・改善効果についても、十分に期待ができます。
これまで運動習慣がなく、かつ激しい物忘れに悩まされている人は、ぜひ積極的に、運動に取り組んでみてください。

補足:物忘れを改善する食べ物や飲み物

米メーン大学のある研究チームは、「牛乳や乳製品の摂取が脳を活性化させ、記憶力や認識力を向上させる可能性がある」という報告を、2012年に発表しています。

研究チームは、視空間や言語、作業記憶などに関するテストを通じて、記憶力や認識力についての調査を行った。その結果、8項目のテストで最も好成績を収めたのは、最も多く牛乳や乳製品を摂取している被験者たちだったという。

牛乳を飲んで脳を活性化、記憶や認識力アップの可能性 米研究

「牛乳や乳製品を摂取すれば、ひどい物忘れの解消に繋がる」とは言い切れませんが、健康的な食生活が脳の働きの活性化を促すことは、疑いようがないでしょう。
ひどい物忘れに悩まされている方で、食生活に改善の余地がある人は、積極的に「食の改革」に乗り出すべきと言えます。

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