ゲンナジー・ゴロフキン vs サウル・カネロ・アルバレス、観戦記|3団体統一世界ミドル級タイトルマッチ

2017年9月17日(日本時間)、アメリカ、ネバタ州ラスベガスにて・・・
ボクシング3団体統一世界ミドル級タイトルマッチが開催されました。

3団体統一王者、ゲンナジー・ゴロフキンに挑むのは、元2階級制覇王者、サウル・”カネロ”・アルバレス

3つのボクシング・メジャータイトル(WBA、WBC、IBF)がかかった大一番。
名実ともに、今年最大級のビッグマッチです。

それでは以下に、この試合についての感想を述べてみたいと思います。

なお、両者のデータについては次の通りです。

ゲンナジー・ゴロフキン

身長:179cm、リーチ:178cm、年齢:35歳、出身:カザフスタン

サウル・”カネロ”・アルバレス

身長:175cm、リーチ:180cm、年齢:27歳、出身:メキシコ

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ゲンナジー・ゴロフキン vs サウル・”カネロ”・アルバレス、観戦記

第1ラウンド、ゴロフキンはじっくりとアルバレスの動きを観察しながら、ジャブで牽制します。
対するアルバレスは、ガードを固めてサークリング。
ゴロフキンのリズムとパワーを確認しようという思惑でしょう。

しかし、アルバレスも見ているばかりではありません。
ラウンド後半、ゴロフキンのダイレクトの右ストレートをスウェーでかわすと、すかさず右アッパーのカウンターを仕掛けます。
間一髪でヒットはしませんでしたが、鋭い反射神経と、まともに貰えば一発KOという迫力あるパンチを見せつけます。

続く第2ラウンド、第3ラウンドでも、アルバレスの反応の良さとパンチの力感が印象的に映ります。

ジャブをヘッドスリップで避けてからの、カウンターの右ストレート。
右ストレートをダッキングで避けてからの、カウンターの右アッパー。

超一流のアスリートのみが持ち得る、超人的な反射神経。
怪物ゴロフキンを上回るとも感じさせるパワー。

若き挑戦者の恐るべきパフォーマンスを前にして、ゴロフキンは自分のペースを掴みかねている様子を見せます。

ところが、第3ラウンドの後半に入ると・・・
それまで積極的にカウンターを狙っていたアルバレスが、足を使って距離を取り始めます。
ギアを一段下げて、体力を温存しようという思惑でしょう。

しかしこれが、ゴロフキンがリズムを掴むきっかけとなります。
第4ラウンド以降は、徹底的に前へ出てプレスをかけるゴロフキンに、アルバレスが後退させられる場面が多くなります。

退く相手にはめっぽう強いゴロフキン。
多少の被弾は意に介さず、ぐいぐいと前へ出て、左右のパンチをねじ込んでいきます。

アルバレスも、印象的なカウンターをクリーンヒットさせて見せ場を作るものの、ゴロフキンがプレスを緩めないために思うように追撃ができず、試合の主導権を奪い返すことができません。

試合が後半に入ると、アルバレスが明らかにスタミナ切れの様相を見せます。
顎は上がり、口はあき、肩で大きく息をすることが多くなります。
ミドル級に対応するために搭載した筋肉が、アルバレスには重すぎるのかもしれません。

対して、ゴロフキンのペースは崩れません。
アルバレスの強打を浴びても、逆に前へ出て打ち返す、体の強さと心の強さ。
少なからずの、いえ、相当量のダメージがあるはずですが、その影響をまったく見せず、プレスをかけ続けるその様子は、まさに怪物です。

アルバレスも、トップギアに入れたときには、ゴロフキンのプレスを押し返してダメージングブローを浴びせることができるのですが・・・
その状態を維持できる時間が短すぎるため、ゴロフキンを崩し切ることができません。

しかしそれでもアルバレスは、一発で試合を引っくり返せるであろうパワーパンチを、最後まで狙い続けます。
その危険なパンチにひるむことなく、こちらも最後までプレスをかけ続けるゴロフキン。

両雄の試合の結末は、判定へ──。

あとがき&驚きの判定結果

判定の結果は・・・

なんと・・・

ドロー!

引き分けにより、ゴロフキンが3本のベルトを防衛しました。

なお、採点は次の通りです。

118-110、アルバレス (ジャッジ:アドレイド・バード)
115-113、ゴロフキン (ジャッジ:デーブ・モレッティ)
114-114、引き分け (ジャッジ:ドン・トレーラ)

いやあ・・・

この結果は、衝撃的でした。
1人目のジャッジで、アルバレスの名がコールされたときから、「うわあ・・・」と思ってしまいました。

私の感覚では、ゴロフキンの明確な勝利。
徹底的にプレスをかけて、多くの時間、アルバレスを防戦に追い込み、その中で的確に有効打を浴びせていたと感じます。

相手に与えたダメージ量だけを見れば、アルバレスに分があるかもしれません。
しかしそのダメージも、ダウンを奪うには至らず、それ以外の点ではゴロフキンがリードしていたと思います。

「118-110でアルバレス勝利」としたアドレイド・バード氏の採点基準は、いったいどのようなものなのでしょう。
2017年5月に行われた、村田諒太選手と、アッサン・エンダムの試合に匹敵するレベルの、疑惑の判定ではないでしょうか。

関連記事:
村田諒太 vs アッサン・エンダム、観戦記|ボクシングWBA世界ミドル級王座決定戦

試合後のインタビューでは・・・

ゴロフキンは、この判定結果に憮然とするわけでもなく、アルバレスの健闘を称え、ファンに感謝の言葉を述べるなどし、紳士的に応じます。

一方、アルバレスが「自分の勝ちだったと思う」と述べたときには、会場にブーイングが湧き起こります。

試合の内容が素晴らしいものであっただけに、この後味の悪さは非常に残念です。

再戦が組まれる気配は濃厚ですが・・・
こういう判定のあとでは、素直に「ビッグマッチ再び!」と、熱くなることができません。

ゴロフキンも、もう35歳。
ボクサーとしてのピークは過ぎつつあります。

対するアルバレスはまだ若く、円熟期まっただ中。
スタミナ面での改善がある程度図れれば、ゴロフキンを下すことも十分に可能でしょう。

・・・。

まあ、いまは、再戦の件も判定の件も、ひとまず置いておいて・・・
素晴らしい試合を観戦した余韻に、浸っていたいところです。

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