間近に迫る世紀の一戦、メイウェザー vs マクレガーに思うこと

以前の記事で、フロイド・メイウェザー・ジュニアコナー・マクレガーの試合が組まれる可能性と、その背景についてお話しをしたことがあります。

関連記事:
フロイド・メイウェザー・ジュニア vs コナー・マクレガー|世紀の異種格闘技戦?の展望と背景

紆余曲折あったようですが、両者の交渉は無事に締結。
来たる2017年8月26日、ボクシング界の王であるメイウェザーと、総合格闘技界のスーパースターであるマクレガーによる、ボクシングマッチが執り行われる予定です。

以下に、この世紀のビッグマッチの展望について、お話しをしていきたいと思います。

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メイウェザー vs マクレガー、試合の展望について考える

上の関連記事でも述べたように・・・
ボクサーであるメイウェザーと、総合格闘家であるマクレガーがボクシングマッチをするとなれば、当然のことながら、メイウェザーが圧倒的に有利な立場です。

メイウェザーの40歳という年齢はネックになりますが、それを補ってあまりあるほどの経験とスキルが、彼にはあります。

2015年9月12日に行われた「引退試合」のアンドレ・ベルト戦で見せたパフォーマンス、その8割ほどが発揮できたならば、マクレガーを一切寄せ付けずに完勝することができるのではないでしょうか。

マクレガーも、総合格闘技界の最高峰の舞台であるUFCにおいて、トップレベルのパンチテクニックを有していると評される選手です。
しかし、総合格闘技(MMA)におけるパンチテクニックは、ボクシングにおけるそれとは別物です。

例えば、マクレガーのスタイルは、両手を胸、あるいは腰のあたりに構える、ガードが極端に低い形です。
こうしたリラックスしたスタイルは、パンチの出がスムーズになるとともに、死角からパンチをねじ込みやすくなるため、パンチを主武器とするMMA選手が採用することが、近年多くなっています。

しかし、このスタイルが有効なのは、MMAの間合いにおいてです。
タックルや蹴りなどを警戒せねばならないMMAの試合では、パンチのみを警戒すれば良いボクシングの試合よりも、彼我の距離が広がります。
この一定の距離があるからこそ、両手を下げて構えていてもディフェンスが間に合い、上で述べたようなオフェンス面でのアドバンテージを活かすことができます。

翻って、ボクシングの試合では、こうした両手を下げたリラックスした構えはご法度です。
距離が近いために、ジャブや、ダイレクトのストレート、スイングなどを被弾するリスクが跳ね上がるためです。

つまりマクレガーは、メイウェザーとのボクシングマッチに臨むにあたり、自身のファイトスタイルの根本的な見直しを図らなくてはなりません。
そして、短期間でそのようなスタイルの改革を行うことは、いくら天才的な格闘センスを持つマクレガーでも、困難を極めるでしょう。

そのほかにも、マクレガーはスタミナ面で問題を抱えています。

2016年3月5日に行われたネイト・ディアスとの試合では、第1ラウンドは得意のパンチテクニックでネイトを圧倒したものの、第2ラウンドに入ってからは失速し、最終的にはネイキドチョークを極められてしまいました。

その後、2016年8月20日に行われたネイトとの再戦においても、やはり第1ラウンドは圧倒し、2ラウンド目以降は徐々に失速。
なんとか逃げ切りには成功したものの、前戦に続いて、深刻なスタミナ不足を露呈しています。

メイウェザーとのボクシングマッチは、1ラウンド3分、12ラウンドという長丁場。
恐らくマクレガーは、試合中盤以降はスタミナ切れに陥ります。
そうなれば、12ラウンドをフルに戦うことに慣れているメイウェザー相手に、為す術はないでしょう。

マクレガーがメイウェザーに勝利する可能性は、いかほどか?

では、マクレガーがメイウェザーに勝利する可能性はまったくないのか、と言えば・・・。
そこはやはり、「メイウェザーの衰え次第」となるでしょう。

しかし、パワーやスピード、スタミナが多少衰えたところで、この試合の行方を左右するほどの要素になるとは思えません。
試合の鍵を握るのは、メイウェザーの「反射神経」の衰えでしょう。

メイウェザーは、ディフェンス面でもオフェンス面でも、「超人的な反射神経」をフル活用してきた選手です。
相手の初動を察知し、反射的に動いてパンチをかわしたり、カウンターを仕掛けたりする戦術が、メイウェザーのボクシングの根底にあります。

この戦術を支えるものが、前述の「超人的な反射神経」です。
そしてこの反射神経は、加齢やダメージの影響により、衰えが進む能力の筆頭と言えます。

40歳という年齢に達したことで、メイウェザーの反射神経に著しい衰えがあらわれているとしたら・・・
長年にわたって積み重ねてきた「反射神経を活かした技術と戦術」が、逆にメイウェザーの足枷となってしまう可能性も考えられます。

ですが、実際のところ・・・

現役時代、あまり打たれることがなく、かつ引退後もシェイプを保ち続けてきたメイウェザーです。
「著しい能力の衰え」があらわれているとは、考えにくいものがあります。

こうした背景があることから、各メディアにおいても、「試合の勝敗など火を見るより明らか」という声が圧倒的です。

そんな世論を受けてか、メイウェザーは最近、次のようなコメントを発表しました。

「勝敗が判定にもつれこんだら、マクレガーの勝ちでいい」

もちろん、これはリップサービスのようなもの。
実際には、そんな特殊なルールにはなり得ません。

しかし、こうした発言をした以上、メイウェザーも従来のディフェンシブなスタイルを、12ラウンドにわたって貫き通すわけにはいかないでしょう。

そこに、マクレガーにとってのチャンスが生まれます。

ボクシングスキルはメイウェザーが圧倒的に上でも、反射神経の鋭さでは、マクレガーもメイウェザーに比肩し得るかもしれません。

メイウェザーが慣れないアグレッシブなスタイルで向かってきたところに、マクレガーが超人的な反射神経でカウンターをねじ込み、ボクシング史上最高の天才をリングに沈める──。

8月26日に、もしそんなシーンが見られたとしたら、これはまさに、ボクシングとMMA、双方の歴史上における最大級のアップセットと言えるでしょう。

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