眼圧が高い時の対処法|眼圧を下げる方法は?高眼圧の原因や正常値・基準値について

眼圧が高い。
なかなか聞き慣れない言葉です。

しかし、眼科などで検査を行ったときに、医師からこの言葉をかけられたときは、要注意です。
のちほど詳しく説明する緑内障を発症している懸念が強まるためです。

緑内障とは、いったいどのような病気でしょうか?
そもそも、「眼圧が高い」とは、どのような状態でしょうか?
眼圧を下げるには、どうすれば良いでしょうか?

この記事では、そのような各種疑問について、詳しく解説をしていきたいと思います。

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眼圧が高いとは、どういう状態? そもそも眼圧とは?

眼球の内部は、房水と呼ばれる液体で満たされています。
この房水により生じる内圧のことを、眼圧と呼びます。

房水は常に産生と排出が行われています。
しかし、何らかの要因により房水の排出が正常に行われなくなり、眼球内の圧力の数値が、正常値・基準値を超えることがあります。
これが、「眼圧が高い」と呼ばれる状態です。

なお、眼圧の正常値・基準値については、10~20mmHgとされています。
※mmHgの読み方は、「ミリメートル水銀柱」です。

最近の大規模な調査(多治見スタディ)によると、日本人の平均眼圧は14.5 mmHgであり、ばらつきの程度(標準偏差が2.5 mmHg)を考えると、正常の眼圧は10~20 mmHgであるということが分かりました。

日本眼科学会:目の病気 緑内障

眼圧が高いと、どうなるの?

眼圧が高いとき、最も懸念されるのが緑内障の発症です。
緑内障は、異常に高まった眼圧により視神経が障害され、視野狭窄や視野欠損を引き起こす病気です。

緑内障は治療によって進行を遅らせることが可能です。
しかし、いちど失われてしまった視野に関しては、元に戻す方法がありません。
治療をせずに放置してしまうと、失明の恐れも生じます。

緑内障は、40代以上の年代に発症者が多い病気です。
40歳を過ぎた人は、定期的に眼科にて眼圧検査や眼底検査を行うことをおすすめします。

最近の我が国での疫学調査では,40歳以上の4%程度に緑内障があると報告されています。その多くはまだ緑内障と診断されずに,放置されていることも推測されています。

国立病院機構 東京医療センター 眼科

眼圧が低い場合でも発症する緑内障について

前述の通り、緑内障は「眼圧が高い人」に発症者が多い病気です。
しかし、「眼圧が低い人」であっても、緑内障を発症するケースがあります。
このような緑内障は、正常眼圧緑内障(NTG)と呼ばれます。

視神経が有する「圧力への耐性」には、大きな個人差があります。
よって、眼圧が「一般的な正常値・基準値の範囲内」であっても、その人にとっては異常な高値である──という場合もあるわけです。

実は、日本人が発症する緑内障の約6割は、この正常眼圧緑内障であると言われています。

近年行われた全国的な調査の結果から、緑内障の約6割が正常眼圧緑内障であり、また欧米にくらべて日本人に多いらしいことがわかりました。

緑内障|東邦大学医療センター佐倉病院眼科

こうした事情があることから、眼圧検査で「眼圧が低い」という結果が出たからといって、安心はできません。
緑内障の検査は、眼底検査や視野検査なども併せて行い、総合的に判断する必要があります。

眼圧が高いと診断された!眼圧を下げる方法は?

眼圧検査により「眼圧が高い」という結果が示され、かつ、眼底検査や視野検査にて異常が見つかった──。
つまり、「緑内障である」と診断された場合は、眼圧を下げる治療を実施する必要があります。

現在、眼圧を下げるための方法として幅広く行われている治療は、点眼療法です。
房水の産生を抑える「β遮断薬」や、房水の排出を促す「プロスタグランジン関連薬」等の投与により、眼圧の低下が期待できます。
そのほかにも、内服療法や点滴療法が併用されることもあります。

こうした治療法により、眼圧が高い症状が改善・解消されない場合は、レーザー治療や外科手術が検討されます。

緑内障の予備軍?「高眼圧症」とは

眼圧が正常値・基準値を超えているが、眼底検査や視野検査などにより、視野に異常が見つからない──というケースがあります。
これは高眼圧症と呼ばれる状態です。

前述の通り、視神経が有する「眼圧への耐性」は個人差があるため、眼圧が高いことが必ずしも問題を引き起こすとは限りません。
つまり、視神経がもともと丈夫な人は、少しくらい眼圧が高くても問題がない──というわけです。

複数回の精密検査を行って異常が見つからなければ、その後は定期的に検査を行い、経過を観察する形になります。

眼圧が高くなる原因は?

眼圧が高くなる原因は、現在でも詳しいことがわかっていません。
老化、疲労、精神的ストレス、アルコールやカフェインの過剰摂取、喫煙習慣などが、眼圧が上がる要因として挙げられる場合もあります。

次のような、「何らかの疾患」の影響で、眼圧が高くなるケースもあります。
こうした原因疾患により引き起こされる緑内障のことを、続発性緑内障と呼びます。

続発性緑内障の原因疾患の例
  • ぶどう膜炎
  • 白内障
  • 目薬の副作用(主にステロイド)
  • 糖尿病
  • 目の外傷

それ以外の、「はっきりとした原因がわからない緑内障」のことを、原発性緑内障と呼びます。
原発性緑内障については、40代以上の年代に発症者が多くなると言われています。

緑内障を予防するには?

東京大学大学院の相原一教授は、緑内障は予防できるか?という質問に対して、次のように回答しています。

よく聞かれますが、予防方法はありません。

Q&A 緑内障 – NHK健康ch

残念ながら、緑内障については原因やメカニズムに不明な点が多く、予防方法も確立されてはいないようです。

しかし緑内障は、予防はできずとも、早期発見により「症状の進行を最小限に抑える」ことは、十分に可能です。
緑内障の発症率が増す40代になったら、定期的に眼科へ通い、眼圧検査をはじめとする精密検査を受ける──このことを徹底するだけでも、緑内障による健康への悪影響は、大きく低減するはずです。

そのほかにも、健康診断などで行われる眼底検査にて、何らかの異常が発見された場合は、すぐに眼科を受診して精密検査を受けることをおすすめします。

眼底検査の結果で特に注意すべきは、視神経乳頭陥凹という診断結果です。
視神経乳頭という部位は、元々いくらか陥凹(かんおう。へこんでいること)しているのですが、その度合いが正常範囲を超えている場合、「緑内障の疑いあり」と見なされます。

健康診断や人間ドックの眼底検査で「視神経乳頭陥凹」と言われたり、眼科受診の際に眼圧が高いと言われたりしたことのある方は、一度、視野検査を受けていただくことをお勧めします。

緑内障 – 国立病院機構 東京医療センター

眼圧検査や眼底検査とはどんなもの?

この記事にて、たびたび登場してきた、眼圧検査眼底検査という言葉。
あまり眼科に足を運ばない人にとっては、馴染みの薄い検査であるかもしれません。

しかし、緑内障の診断および経過観察には、この二つの検査を欠かすことはできません。
以下では、この二つの検査について、簡単な解説を行いたいと思います。

なお、どちらの検査も短時間で実施でき、痛みを感じることもありません。

眼圧検査とは

目の表面(角膜)に空気をあてることで、眼球の硬さ、すなわち眼圧を測定します。
測定数値の正常範囲は10~20mmHgが目安です。

空気ではなく、専用の器具を目にあて、測定する場合もあります。
この測定方法では、事前に目薬(点眼薬)による麻酔が必要です。

眼底検査とは

視神経乳頭の状態をチェックする検査です。
眼圧が正常値の範囲内でも視野に異常があらわれる疾患、「正常眼圧緑内障」の発見に効果的です。

この検査を実施するには、事前に「散瞳薬」という点眼剤により瞳孔を拡大しておく必要があります。
検査後は数時間ほど眩しさを感じやすくなりますので、車の運転等は控える必要があります。

緑内障Q&A

目が悪いと緑内障になりやすいの?

近視は正常眼圧緑内障のリスク要因として考えられています。

正常眼圧緑内障になる人は、他の緑内障と比べて高齢者や近視である人も多いことから、正常眼圧緑内障を発症するリスク因子は、加齢や近視であると考えられています。

緑内障の症状 | 健康長寿ネット

緑内障を発症すると視力は低下する?

緑内障は視野狭窄と視野欠損が主な症状であり、視力には基本的に影響を及ぼさないとされます。

ほとんどの緑内障は、自覚症状もなく視力自体には影響がないままに見える範囲だけが少しずつ欠けていきます。

緑内障 – 国立病院機構 大阪医療センター

眼圧が高いときの症状は? 兆候はある?

眼圧が高いときでも、視神経の障害がある程度進行しない限り、自覚症状はあらわれません。
ただし、急激に眼圧が高くなる急性緑内障発作を発症すると、頭痛や吐き気、目の痛みなどが引き起こされます。
この発作が起きると、視野も急速に障害されますので、症状があらわれたときは一刻も早く専門病院にて治療を受ける必要があります。

緑内障を発症したとき、日常生活で注意すべき点は?

市販薬(風邪薬など)や、他の病気の治療目的で出される処方箋などには、眼圧を上げる副作用を有するケースが珍しくありません。
緑内障を患っている場合は、それらの薬を利用しても問題はないか、医師に確認をする必要があります。
そのほか、視野狭窄や視野欠損の影響により、運動中や作業中に事故が起きないよう、十分に注意する必要があります。

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