小國以載 vs 岩佐亮佑、観戦記|ボクシング、IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ

2017年9月13日、エディオンアリーナ大阪にて、ボクシング・IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチが開催されました。

王者・小國以載(おぐに ゆきのり)選手に、同級3位・岩佐亮佑(いわさ りょうすけ)選手が挑みます。

それでは以下に、この試合についての感想を述べてみたいと思います。

なお、両者のデータについては、次の通りです。

小國以載 (王者)

身長:171.5cm、リーチ:175.7cm、年齢:29歳

岩佐亮佑 (3位)

身長:171.0cm、リーチ:180.3cm、年齢:27歳

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小國以載 vs 岩佐亮佑、観戦記

立ち上がりから、積極的にワンツーを仕掛けていく小國選手。

苦手とするサウスポー、それも、テクニシャンである岩佐選手を相手に、フットワーク勝負をしたら分が悪い──。
そう考え、下手に足を使わず、先手を取って攻め続け、突破口を切り開こうという戦略でしょう。

まだ身体が十分に温まっていないと思われますが、それでも、小國選手が繰り出す右ストレートは、スピーディーでキレがあります。
第1ラウンドからの王者の積極的な攻めに、岩佐選手も少々、面食らっているような様子に見えます。

ところが、第1ラウンド後半に、小國選手が痛恨の被弾。
圧力を緩めた一瞬の隙に、岩佐選手のダイレクトの左ストレートを、真正面から浴びてしまいます。

尻もちをつくようにしてダウンする小國選手。
決定的なダメージを負っているようには見えませんが、初回でのダウンは、心理的な影響が極めて大きいはずです。

第2ラウンドに入ると、小國選手の焦りが如実にあらわれます。

積極的にワンツーを仕掛けていくのは初回と同様ですが、踏み込む位置が遠く、岩佐選手にあっさりと見切られてしまいます。
ならばと、意を決して大きく踏み込んでみても、今度は逆に距離が近づきすぎて、右ストレートを放つスペースが作れません。

完全に距離感が狂ってしまった小國選手。
いくら先手を取って仕掛けても、外されスカされ・・・
攻めあぐねて一息ついたところを、岩佐選手に狙い打たれてしまう展開です。

そして、第2ラウンド後半。
ワンツーをバックステップで外されて棒立ちになってしまったところに、岩佐選手のダイレクトの左ストレートがクリーンヒット。

大の字になって倒れ込む小國選手。
第1ラウンドのダウンの時とは違い、ダメージは深刻そうです。
立ち上がりはしたものの、足が利いていません。

そこにまたもや、岩佐選手のダイレクトの左ストレートが炸裂します。
ダウンを喫する小國選手。
半死半生といった面持ちで立ち上がります。

あと一発、追撃を食らえば試合終了か、というところで、第2ラウンドが終了します。
小國選手、ゴングに救われた格好です。

狂った距離感と深刻なダメージを抱えたまま、第3ラウンドに挑む小國選手。
前には出るものの、岩佐選手に誘い込まれる形となり、パンチを浴び続けてしまいます。

しかし第4ラウンドの後半から、それまで一方的だった試合の流れが変化する兆しを見せます。
がむしゃらな小國選手の攻めが、徐々に岩佐選手のリズムに噛み合っていきます。
第5ラウンドに入ると、小國選手はボディ攻撃を突破口にして攻め込み、岩佐選手を下らせる場面を作ります。

そして、王者が意地を見せた矢先の、第6ラウンド。
恐らくは、岩佐選手が左ストレートを放った際に生じたバッティングにより、小國選手が口元を切ってしまいます。

岩佐選手のパンチが小國選手にヒットするたびに、岩佐選手の黄色いグローブが鮮血に染まります。
それを見たレフェリーが、試合を中断してドクターチェックの指示。
小國選手の傷口を確かめたドクターは、すぐさま首を振ります。

試合終了。
ドクターストップにより、岩佐選手のTKO勝利となりました。

あとがき&考察

戦前より、「サウスポーが苦手」と公言していた小國選手。
まさに、その言葉通りの試合展開となってしまいました。

オーソドックス対サウスポーの場合、相手の前足の外へ外へと回っていくフットワークが大原則です。
しかし、そのフットワーク勝負で岩佐選手の上を行くのは、極めて困難。
であれば、フットワーク勝負は諦めて、真正面からでも先手先手で攻め込んで、相手がリズムを掴めずにいるうちに、先に一発当ててしまおう──。

恐らく、小國陣営としては、そのような戦略であったのだと思いますが・・・
残念ながら、岩佐選手の「外す」技術が、一枚上手でした。

初回に喫したダウンで、歯車に狂いが生じてしまったことも大きいでしょう。
苦手とするサウスポー相手ということで、気負いすぎてしまった面もあったでしょうか。

小國選手は、この試合で引退することを表明しています。

「最後の相手が、岩佐で良かった」
小國選手が試合後に残したコメントです。

そんな小國選手から受け取ったベルトを、「死ぬ気で守っていく」と述べた岩佐選手。
ついに勝ち取った、念願のベルト。
王者としての、新たな闘いが始まります。

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