咳をすると胸が痛い時の原因と対処法|息を吸うと肺が痛い!胸の痛みや咳が出るのは病気?

咳をすると胸が痛い・・・。

そのような状態が慢性化しているときは、「何らかの病気」を患っている可能性を考慮する必要があります。

咳に伴う胸の痛みは、心臓気管支などの臓器に病変が生じている可能性が考えられます。
こうした病変は自然治癒が見込めるケースも少なくありませんが、症状が悪化した場合は、場所が場所だけに思わぬ事態に発展しかねません。

この記事では、そのような「咳をすると胸が痛い・息を吸うと肺が痛い」などの症状を引き起こす各種病気について、詳しくお話しをしたいと思います。

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【咳をすると胸が痛い】胸膜炎

咳をすると胸が痛い、息を吸うと咳が出る──こうした症状を引き起こす病気の代表格は、「胸膜炎」です。

私たちの肺は、「胸膜」という薄い膜により覆われています。
この胸膜が、何らかの要因により炎症を起こした状態を、「胸膜炎」と呼びます。

胸膜炎を発症すると、肺を大きく動かすたびに胸膜の炎症箇所が刺激されるため、胸の痛みや息苦しい感覚が生じます。
咳をするときや深呼吸をするとき、くしゃみをするときなどは、特に痛みがあらわれやすくなります。

胸膜炎の主な症状には、咳や胸の痛み、息切れのほかにも発熱が挙げられます。
ただし、後述する「悪性腫瘍が原因の胸膜炎」については、発熱の症状があらわれないケースが多いとされます。

胸膜炎を発症する原因は?

胸膜炎の主な発症原因は細菌感染です。
細菌性の肺炎を患った際に、肺炎の原因菌が胸膜にまで感染した結果、胸膜炎に至るケースが代表的です。

そのほかにも、悪性腫瘍が原因となり、胸膜炎が引き起こされるケースがあります。
肺がんや悪性リンパ腫、悪性胸膜中皮腫の影響が、例として挙げられます。

膠原病の合併症として胸膜炎が引き起こされるケースも少なくありません。

胸膜に炎症を起こす原因としては、細菌感染、腫瘍、膠原病などがあります。

北海道大学病院 内科Ⅰ – 胸膜疾患:気胸、胸膜炎など

胸膜炎の治し方は?

胸膜炎の原因が細菌感染である場合は、抗生物質(抗生剤)を用いた投薬治療が主となります。
悪性腫瘍や膠原病などの原因疾患が存在する場合は、その病気に対する治療が、胸膜炎の症状改善・解消に必要不可欠となります。

胸膜炎は進行すると、胸郭に膿が溜まる膿胸(のうきょう)と呼ばれる症状があらわれます。
この状態に至ると多くの場合、溜まった膿を排出するための外科的手術が必要とされます。

胸膜炎は医師による経過観察が重要とされる病気ですので、「咳をすると胸が痛い、息を吸うと肺が痛い」などの症状があらわれた際は、できるだけ早く内科・呼吸器科を受診することが大切です。

【風邪に伴う胸の痛み】急性気管支炎

鼻から喉にかけての部位を、上気道と呼びます。
その上気道にウイルスが感染することで生じる炎症疾患を、風邪と呼びます。
そして、上気道の感染が「気管支」にまで及んだ状態を、急性気管支炎と呼びます。

一般に「風邪:かぜ」と呼ばれるのが、急性の上気道感染症の総称であるのに対して、炎症が起きる場所がより末梢の気管支などの下気道である時に「気管支炎」と呼んでいます。

気管支炎とは|東京 / 八重洲クリニック 循環器内科

この急性気管支炎を発症すると、咳が出る・痰がからむなどの症状があらわれます。
症状が悪化して気管支の損傷が大きくなると、「咳をすると胸が痛い、息苦しい、息を吸うと咳が出る」などの症状があらわれやすくなります。
風邪の諸症状(発熱や頭痛、鼻水・鼻詰まり等)が落ち着いたのちも、前述の気管支炎の症状がしつこく残り、なかなか治らないことが珍しくありません。

また、気管支炎から肺炎に至ることも、よくあるケースです。
気管支炎の症状が顕著になった際は、できるだけ早く内科や呼吸器科を受診してください。

急性気管支炎の治し方は?

急性気管支炎の治し方は、対症療法が中心となります。
咳止めや去痰薬などにより症状を抑えつつ、炎症の自然治癒を待ちます。
細菌感染が疑われる場合は、抗生物質(抗生剤)の服薬が効果的です。

咳をすると胸が痛いという症状が顕著な場合は、後述する「肋軟骨の損傷」の疑いも生じます。
度重なる激しい咳により、胸部中央の肋軟骨を損傷することは、珍しいケースではありません。
骨粗鬆症を患っている高齢者の方などは、特に注意が必要です。

【咳をすると胸骨や肋骨が痛い】肋軟骨の損傷

深呼吸や咳をすると胸が痛い症状は、「肋軟骨」と呼ばれる軟骨の損傷によって引き起こされる場合があります。

肋軟骨とは、胸骨付近の肋骨、すなわち「胸の中央部分の肋骨」のことです。
この部分の肋骨は、「軟骨」によって形成されているために、肋軟骨と呼ばれます。

肋軟骨は柔らかい組織であるため、外力に弱く、ちょっとした衝撃でも骨折をする・ヒビが入ることがあります。
胸痛が、胸に強い衝撃や圧迫を受けた時期から始まっているような場合は、肋軟骨の損傷が原因である可能性が高くなります。
患部を手指で押すと痛みが生じるため、損傷部位は比較的、容易に特定できます。

女性をはじめとして体格が小さな人は、満員電車で前後左右から身体を強く圧迫されることでも、肋軟骨を損傷する場合があります。
また、骨粗鬆症を患っている高齢者の方などは、咳やくしゃみをした際に肋軟骨を痛めてしまうこともありますので、注意が必要です。

肋軟骨を損傷したときの治し方は?

肋軟骨の骨折・ヒビの対処法としては、包帯やテーピング、専用の装具などで、胸部を固定することが第一です。
固定期間は怪我の程度にもよりますが、2~4週間が目安です。
痛みの症状が激しいときは、鎮痛作用のある内服薬・外用薬(湿布など)が併用されます。
肋軟骨の治療は、整形外科が専門科となります。

【右胸もしくは左胸の痛み】肋間神経痛

肋骨の隙間には、「肋間神経」と呼ばれる末梢神経が存在します。
何らかの要因で、この肋間神経に異常が生じ、痛みを引き起こすことがあります。
この症状を「肋間神経痛」と呼びます。

肋骨に沿う形で、胸から脇腹にかけて、チクチクとした痛みが生じることが特徴です。
咳をする・くしゃみをするなどして胸郭を大きく動かすと、痛みが顕著になります。

肋間神経痛は多くの場合、「上半身の片側」にのみ、症状があらわれます。
よって、痛みを感じる部位が、右胸か右脇腹のみ、もしくは左胸か左脇腹のみ──という場合は、肋間神経痛を発症している可能性が強くなります。

特徴的なのは、上半身の右側か左側のみに起こり、特殊な場合を除いて左右両側に起こることはありません。

肋間神経痛 (ろっかんしんけいつう) – 恩賜財団 済生会

肋間神経痛を発症する原因は?

肋間神経痛の発症する原因は非常に様々です。
肋骨や肋間筋の損傷、ヘルニアなどの脊椎疾患、帯状疱疹、心理的なストレスの影響などが、例として挙げられます。
発症原因が不明となるケースも少なくありません。

肋間神経痛の治し方は?

肋間神経痛を治す上で最も重要な点は、その原因疾患をつきとめることです。
原因疾患が存在するのであれば、その疾患の治療が、肋間神経痛の症状改善・解消に必要不可欠となります。

しかし、呼吸器内科や整形外科などで、どれだけ精密検査を行っても原因疾患が特定できないケースも少なからずあります。
そうした場合は、「ペインクリニック」などの専門病院にて、症状のコントロールを試みることになります。

【胸部中央から左胸にかけての痛み】急性心膜炎

私たちの心臓は「心膜」と呼ばれる薄い膜により覆われています。
この心膜が、何らかの要因により炎症を引き起こした状態を「心膜炎」と呼びます。

心膜炎の主な発症原因には、心膜へのウイルス感染や細菌感染などが挙げられます。
中でも最も一般的なものは、「風邪ウイルス」の感染です。
風邪の諸症状とともに、胸の中央から左胸にかけて、すなわち心臓のあたりの鈍痛があらわれている場合は、心膜炎が疑われます。

心膜炎は、深呼吸や咳をすると、胸が痛い・息苦しいといった症状が顕著になる点が特徴的です。
また、心膜の炎症が心臓の働きを阻害することから、心不全を引き起こすリスクも高まります。

急性心膜炎の治し方は?

急性心膜炎の発症原因の多くはウイルス感染であるため、特効薬などは存在せず、治療は対症療法が主となります。
消炎鎮痛剤などの服用により胸の痛みの症状を抑えつつ、経過を観察します。

急性心膜炎は、予後は良好な場合が多い疾患ですが、症状が悪化すると、心タンポナーデ収縮性心膜炎などの厄介な病気を引き起こすことがあります。
次のような症状が顕著になったときは、早急に循環器内科や心臓内科にて診察を受けてください。

<心タンポナーデ>
症状としては、呼吸困難、胸痛、気分不快、食欲低下などがあげられます。

心膜疾患とは|慶應義塾大学病院 KOMPAS

<収縮性心膜炎>
症状としては、疲れやすい、息切れ、体のむくみなどがあげられます。

心膜疾患とは|慶應義塾大学病院 KOMPAS

【息を吸うと胸が痛い】気胸

大きく息を吸うと胸が痛い、肺が痛い、息苦しい、咳が出る・・・。

そのような症状を引き起こす代表的な病気に、「気胸」があります。
気胸とは、肺の一部が破れて、肺の空気が胸腔(きょうくう)に漏れてしまう状態のことを指します。

症状が軽度の場合、数日すると小康状態になることが多いため、病気という自覚が生じにくい面があります。
気胸はレントゲン撮影により診断が容易であるため、前述のような症状があらわれている場合は、いちど呼吸器科にて相談をしてみることをおすすめします。

気胸を発症する原因は?

気胸を発症する原因は、次の3つに大別されます。

外傷性気胸

胸部を強く打つなどして、肺が損傷したことにより生じる気胸です。

続発性自然気胸

何らかの肺疾患等の影響で、肺が損傷したことにより生じる気胸です。

原発性自然気胸

外傷や原因疾患の存在しない気胸です。
若い痩せ形の男性が発症することが多いとされます。

気胸の治し方は?

軽度の気胸の場合は、自然治癒が期待できます。
その場合、数週間程度で胸腔内に漏れた空気は消失し、肺の穴は自然に塞がりますが、再発することも珍しくありません。

中等度もしくは重度の場合は、胸腔内に漏れた空気を排出するための処置を行います。
非手術治療としては、「胸腔ドレナージ」という処置が広く行われています。

胸腔ドレナージとは、胸腔にたまったものを外に排出することです。具体的には、胸に局所麻酔を行い、管を胸腔内に挿入し、胸腔にたまっていた空気や新たに漏れた空気を外に排出します。

自然気胸について – 青森労災病院

胸腔ドレナージにて症状が改善・解消されないケースでは、手術治療が検討されます。
手術は多くの場合、胸腔鏡を用いて行われるため、身体の負担は大きなものではありません。

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