田口良一 vs ロベルト・バレラ、観戦記|ボクシングWBA世界ライトフライ級タイトルマッチ

2017年7月23日、東京の大田区総合体育館にて開催された、WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ、田口良一 vs ロベルト・バレラ

以下に、この試合についての感想を述べてみたいと思います。

なお、両者のサイズと年齢については、次の通りです。

田口良一(王者):
身長:167.3cm、リーチ:172.0cm、年齢:30歳

ロベルト・バレラ(同級1位):
身長:164.0cm、リーチ:169.2cm、年齢:24歳

スポンサーリンク

田口良一 vs ロベルト・バレラ、観戦記

試合序盤、コロンビア出身のバレラは、「中南米の選手の特徴」として良く挙げられる「柔らかい」動きを見せます。
足腰や肩を柔軟に使ってパンチに角度を生み出し、田口選手の死角からパンチを打ち込んでいきます。

しかし田口選手も、バレラのそうした特徴は織り込み済みか、死角からパンチを被弾しても慌てた様子は見せません。
いつものように、しっかりと顎を引いて、ハイガード。
さらに、バレラにパンチを打つための空間を作らせまいと、ぐいぐいとプレスをかけて距離を詰めていきます。

バレラはコンビネーションを浴びせて、田口選手のプレスの寸断を試みますが、打たれ強い田口選手を押しとどめることができません。
また、コンビネーションの合間を縫って、打ち終わりを狙った田口選手のパンチが飛んでくるため、バレラはなかなかリズムに乗れません。
結果として、序盤早々から、バレラがロープを背負うシーンが目立つようになります。

バレラは密着戦になると、ガードを固めて足を止め、攻めあぐねる様子を見せます。
若いボクサーであるバレラには、まだ密着戦の「勘所」のようなものが、養われていないのかもしれません。

対して田口選手は、まさに円熟期にあるボクサー。
前述のバレラの隙を見逃しません。
体格のアドバンテージを活かして、バレラのガードの外から、左ボディをねじ込んでいきます。

試合中盤になると、その左ボディの効果が如実にあらわれてきます。
ボディを効かされたバレラは、明らかに動きに精彩を欠いていきます。
お互いに有効打は重ねているものの、相手に与えたダメージを鑑みれば、ペースは完全に田口選手と言って良い状況です。

苦しいバレラは、クリーンヒットを貰うたびにスイッチするなどして、田口選手の間合いを狂わせ、追撃を阻止しようとします。
しかし田口選手は、「密着すればスイッチなど関係ない」と言わんばかりに、とことんプレスをかけて、バレラをロープに追い詰めていきます。

田口選手が一息入れようとプレスを緩めると、バレラも息を吹き返してコンビネーションを仕掛けていきますが、やや迫力不足。
ボディを効かされた影響か、パンチに体重が乗り切っていません。

バレラの攻勢がひと段落すれば、田口選手はすぐさまプレスを再開。
バレラをロープに詰め、上下に打ち分けてダメージを蓄積させていきます。

そして第9ラウンド。
バレラがロープに詰められ、田口選手のパンチを浴びたところで、レフェリーストップ。
もはやバレラに、反撃する余力は残っていなかったことでしょう。

あとがき

いやー、熱い試合でした。

田口選手、同級1位の指名挑戦者を、見事なTKOで退けました。
田口選手のここ最近の試合でも、ベストパフォーマンスと言える内容だったのではないでしょうか。

気迫のこもったボクシング。
言葉にすることは簡単ですが、実際にそれをやり遂げることは困難です。

何の因果か、「つよカワイイ」などという、あまりにも重いニックネームを背負っている田口選手ですが、「実はすごく気が強い」とは同門(ワタナベジム)の先輩である内山高志選手の談。
相手より身長やリーチで大きく上回っていても、その体格差を活用するより、前に出て接近戦に持ち込んでいく展開を好むボクサーです。

洗練されたボクシングとは言い難いかもしれません。
しかしこのような、ベビーフェイスに似合わないアグレッシブなスタイルが、田口選手の魅力でしょう。

WBO世界ライトフライ級王者、田中恒成選手との統一戦が噂される田口選手。
順調に交渉が進めば年末あたり、ボクシングファンを沸かせる一大イベントが開催されるかもしれません。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする